5.指と爪について

   以下、右利きの場合について述べる。右手は弦を弾く方で
  左手は弦を押さえる方になり、左利きの場合は右と左が反対
  になる。

   @指
    (右手):普通使用するのは、小指を除いた4本の指で、
         小指はハーモニクスやラスゲアード奏法以外は
         一般的に使わない。しかし、使っていけないという
         ことではない。種々の条件や音楽表現のために、
         使うことが十分考えられる。
    (左手):5本の指全てを使い、一般的に親指は他の指の
         支えとしての役目で、親指以外は押弦の役目を
         する。右手同様、例外はあり得る。

   A右指および左指の爪
     指頭派・爪派と2つに分かれるが、爪を使った方が、奏法
    や音色の上でバリエーションをつけることが出来、ギター
    演奏で音楽表現の幅を拡げることが出来る。
     爪の伸ばし方(長さ、形)は、人それぞれの爪の硬さや幅
    そして形によって異なり、アマチュアのみならずプロにとって
    も重要な課題である。指頭から先に爪が出る長さを、普通、
    親指で3mm位、他の指で1mm位にする。これは、人により
    様々である。いずれにしても、ノイズがなくきれいな音色を出
    せ、演奏に支障を来さない形状が一番よく、自分の最適形状
    を追求していただきたい。左指の爪が伸びていると、押弦の
    邪魔になるので、左指の爪は短くする。


   
B爪の手入れと保護
     右指も左指も、演奏の前には当然であるが、爪の手入れを
    常日頃こまめにやって欲しい。

   (爪の磨き方)
     -1.まず、600#位のサンドペーパー又はヤスリ(ヤスリは、
       ギター用として、金属製又はガラス製のものがある。)で
       ほぼ指のカーブに沿って形を整える。爪のカーブの中
       心は、人それぞれ異なり、手の甲側から見て、真ん中、
       小指寄り又は親指寄りにずらして整形する。一般に、
       どちらかにずらす場合が多いようであるが、音色と弾き
       やすさを追求することにより、自分にあった理想的な形
       が決まって来る。
     -2.次に、1500#位のサンドペーパーで磨く。
     -3.次に、3000#位のサンドペーパーで磨く。
        1500#を使い込んで、目が潰れたものでも良い。
     -4.最後に、皮(皮のベルトの切れ端でも良い。)でつるつる
       (なめらか)に仕上げる。
     以上は一つの参考例で、結果として爪の先端の形がきれ
    いになめらかに磨くことが出来れば良い。弦を弾いた時に
    クリアーな音でカサカサ音やシャリシャリ音がなく、弦に爪が
    引っ掛からない状態を探りながら何度かやっていくうちに、
    自分の磨くパターンとペーパーの番手が決まってくると思う。
    皆さんで研究していただきたい。

   (爪が破損した時)
     右手(弦を弾く方の手)の爪が欠けたり割れた時は、つけ
    爪やティッシュなどを使って瞬間接着剤で一時的に補修する
    ことになるが、爪の成長に影響するし、微妙に音色が変化
    するので、短期間の部分的な補修に留めておいたほうが
    良いと思う。
     車のドアハンドルの操作などが原因で欠けることはよく
    あることで、例えば、左手で操作するようにするなどして、
    右手の爪が破損しないよう常に行動面で細かな気配り
    が必要である。スポーツのボーリングは爪の破損に必ずつ
    ながるので要注意である。触る、持つ、操作するなどの全て
    の動作で、反対側の手を使ったり、場合によっては手袋で
    保護するなど、爪を意識してかばう気持ちが必要である。